台湾ツアーや遠征のレポート中心になっていますが、10月17日、18日に飛騨古川で行われた「ヒダクマ祭り2015」に遊びにいってきました。その内容を記録しておきます。
目次
そもそもヒダクマとは?
株式会社 飛騨の森でクマは踊る を略して「ヒダクマ」。
飛騨の林業や伝統の組み木の新しい価値の想像や、デジタルファブリケーションを組み合わせて森の未来を作っていく会社です。
飛騨市も含めた第三セクター事業として会社が設立。詳細はこちらなど。
今回、fabcafe hidaのオープン前のイベントに東京から遊びにいってみました。
初めての飛騨古川という街

古い建物を活かしているお店
これまで岐阜の上高地や飛騨高山へは観光で足を運んだことはありましたが、飛騨古川は初めてでした。でも、今回は何も調べずに行くことしてみました。
東京から車で向かい、長野の松本から紅葉に染まり始めた山を抜け、秋の移り変わり感じながら約6時間。
飛騨古川の駅近くになると、ガラッと古い街なみの建物が目に入ってきました。
飛騨古川の景観を保った街なみ
これだけの街なみを大切に保っている姿勢もあり、観光客も足を運びやすい場所であると感じました。
特に市役所の駐車場を無料で利用でき、観光案内のマップが多言語で充実していたりと、行政を含めて地域に人を呼び込もうとしている姿勢が伝わってきました。
古民家を改修したfabcafe HIDA
今回ヒダクマ祭りが開催されるfabcafe hida の外観 。
まず、本当に古民家でびっくり。この中に色々な工作機械が置かれていくと、建物の古さと工作機械のギャップ感が面白そうです。
そして建物の中に入って分かるのですが、奥行きがある敷地となっています。その奥には蔵を改修したスペースなど、入り口から奥までいくつかのエリアに分かれていました。奥まで歩いて、エリアの違いを感じていけるところも興味深かったです。(一般的に建物の奥まで歩いていけないし、勝手口から出れたりしないかと。今回のイベントだけかもしれませんが・・・。)
写真を整理して気づいて時遅しと感じたのは、建物の2階を見学することを忘れていました。すごく残念すぎるので、次回は是非のぞいてみたいです。
ちなみにこの建物の完成度はまだ3割ぐらい。今日のイベントにギリギリに間に合った状態。3割でも改修の流れなど聞かせていただいて、ワクワクしました。なのでこの先の仕上がりがとても楽しみです。
KULUSKAさんのワークショップへ参加
今回、Yosi Horikawaライブパフォーマンスへ参加する予定でしたが、キャンセルとのことで、KULUSKAさんのワークショップだけの参加となりました。
ワークショップの内容はキーホルダーの作成。革のパーツと木のパーツを選び、仕上げ作業をして組み上げていく内容です。
革のパーツや木のパーツはこのレーザーカッターであらかじめ切り取られていました。そのレーザーカッターの使い方なども、渋谷fabcafeの方から説明をしていただきました。
そして実際にレーザーカッターで切り取っている様子を見せてもらいましたが、このスピードが物凄く早く驚きました。
革の仕上げ作業では、革を磨くことに夢中になってしまい、参加者が集中して磨いて、手触りを確認して、また磨き直すといった光景が印象的でした。
レーザーカッターの場合、熱によって材料を焼き切ることになるため、切断面が焦げてしまいます。その黒い切断面をトコノールという薬品を使いながら、仕上げていきます。
すると、磨けば磨くほど質感が変わっていきます。その変化に気づき、私も参加者も夢中になってしまったようです。大学時代の機械実習で、ひたすら金属を研磨したりしたことと似ているなと思いました。
今回はレーザーカッターなどの工作機械を実際に使用はしていませんが、渋谷にもfabcafeがあるので、プロトタイプの作成などで気軽に利用してみたいですね。
のとや旅館で夕食
今回、飛騨古川に1泊2日の滞在です。
宿は同じ飛騨古川にある「のとや旅館」にお世話になりました。
fabcafeから歩いてどのくらいだろうと、少し心配してましたが、fabcafeの2-3軒ぐらい隣という近さ。歩いて数秒の距離でした。
こちらの夕食もおいしくて、女将さんも気さくに色々と話してくれました。お値段は1泊2食で7,500円でお手頃価格。ただし、夕食の品数も多く、お腹いっぱいになり動けなくなることを除けば・・・。(旦那さんが柔道をやっていたらしく、お客さんにも沢山食べて欲しいという想いがあったようですが、食べれなくてごめんなさい。)
ワークショップに参加した時に「居酒屋まーくん」をオススメされ、旅先のお店にも足を運んでみたいと思ってました。ただ、お腹が満腹すぎて、断念。この居酒屋も次回にはいってみたいお店です。
オープンディスカッションを見学
夕方にfabcafeで「人と森の共生をデザインする」をテーマとしたオープンディスカッションを見学しました。
参加者はヒダクマの林さんや飯田市で林業に関わる方々、飛騨や西粟倉の方々など。
ヒダクマの目的からこれからのことなど、参加者の自己紹介を通して、持ち寄った課題に触れつつ話が盛り上がっていきました。
個人的に気になったキーワードは、
- 観光だけでなく生産側になる
- 単なる観光は消費でしかない
- 文化の文脈が伝わらない問題をなくしたい
- できるかどうかというより、まず、面白そうが動機で動かしはじめていることが多い
- fabcafeも周りの協力があって支えられている
- 西粟倉などできるかどうか分からなかったが、動かすことが大切
- 価値の伝え方の変換
- 他分野の意見やデジタルファブリケーションなどを取り入れ、新しい価値を見つける
私自身、林業という分野に関わってはいませんが、仕事や組織に通じる部分や課題が似ている部分もあり、興味深く聴くことができました。(人が集まるとゴールが一緒なのに各々の文脈が伝わってない問題とかよくある。)
これらのディスカッションを通して、ヒダクマの取り組もうとしている課題が少しでも分かることができたことが良かったです。また、こういった場で林さんがみんなの話を引き出していく問の投げ方やファシリテーション力にとても感心しました。
あと、ディスカッションで西粟倉の方々の話で思い出したことがありました。
数年前に杉の街である鳥取県智頭町から岡山県の西粟倉にある森の学校へ立ち寄った時のことです。この森の学校がなければ、西粟倉へも足を運ぶことは無かったと思いますし、知るきっかけはなんでも良いなと思ってます。
まだまだ書き足りないのですが…
オークビレッジが作成したこの写真の広葉樹の木のスピーカー(真球を削り出すのは、とても難しいはず。)やIAMASの展開図武道会やフードコーナーなど書きたいことが多いですが、また今度にでも書きます。
夜に偶然にバッタリな出会いや、分野や領域が違う方々と交流し、建築と情報設計と編集デザインの繋がりに盛り上がったりと、充実した1日でした。
2日目はオプショナルツアーに参加し、木を知り、作る方々の話を伺いにいきます。こちらも台湾日記の合間に記録できたらする予定です。
2日目の様子
参考リンク
- ヒダクマ祭り2015
- 株式会社 飛騨の森でクマは踊る
- 続々・あっちこっちと未来 | 森林から都市を眺める | TheFutureTimes
- 飛騨市、トビムシ、ロフトワーク、 官民共同事業体「株式会社 飛騨の森でクマは踊る」を設立|2015|ニュース|株式会社ロフトワーク
- kuluska
- オークビレッジ
- 展開図武道会
- 鳥取県智頭町森林組合
- ニシアワー(岡山県西粟倉村)
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