最近、個人的に面白いなと思っている中里周子さんについて、何が面白いのかちょっと考えてみました。
目次
中里周子さんとは
ファッションデザイナーやジュエリー制作だったり、アートディレクター的な動きもされている彼女。欧州のファッションイベント「ITS」でジュエリー部門のグランプリを受賞されたりしています。
最近の活動などはホームページから見れます。
[HP] norikonakazato
体験のコンセプトがちゃんとある展示がおもしろい
彼女を知ったのは友人が中里さんと仕事で関わった関係で「美術手帖」を教えてもらい、東雲TOLOTで展示された「ISLAND IS ISLAND」を観にいきました。この展示は写真家の小林健太さんとのふたり展。そしてVRとのコラボレーションとのことで、お誘いいただいた時からワクワクしていました。
ちょっと脱線:東雲TOLOTが場所が迷いやすい
この日は、産業技術大学院大学へ授業の手伝いにいった帰りの夜でした。りんかい線の東雲駅で電車を降りるのは初めてで、大きな幹線道路を外れると、そこは大きな建物の倉庫街。夜にギャラリーまで歩きつつ、「こんな場所に本当にギャラリーがあるのかな?」と思ってました。
そして見つけた建物がこれです・・・。まったく看板がありませんでした。
(東雲TOLOT入り口:Google ストリートビュー)
でも、ギャラリー内はとても素敵な空間でしたので、また行きたいですね。贅沢な空間の使い方なのですよ、都内なのに。
ちょっと夜は不気味だったりもしますね・・・。
彼女の構想が素敵、特に入り口
展示スペースはここだけなのか、最終日のパーティ時間だったので、賑わっていました。
まず、展示会場の入り口で靴を脱いで穴に入るのです。穴の中をよつん這いになりながら、青い空間を進んでいくのですが、
こんな感じで青い道。そこに写真が様々なあしらいと共に飾られていました。
この青いトンネルを抜けると先は砂浜なのです。(写真を撮り忘れた・・・。)
その砂浜にはなぜかブラインドが掛かった窓があり、ブライド越しには3人の綺麗なモデルさんが談笑していました。
そして砂浜に置かれたビーチベットに寝転がりながらVRをすると、もうどこに居るのか分からなくなってきます。
ちゃんとやしの木もあり、ビーチなのです。
入り口から非日常世界のオンパレードだったので、一言で書くと、「この人の頭の中を見てみたい!」なと思わせる展示でした!
この展示の詳しいレポートはこちらにも掲載されているようですので気になる方は見てみて下さい。
ファッションデザイナー 中里 周子と現代写真家 小林 健太がつくるバーチャルリアリティーを体感せよ!展覧会 「ISLAND IS ISLANDS」レポート
でも、最終日のパーティーの時間帯の最後の方にいったので、そのまま普通の入り口から入ってしまい、裏口からこの砂浜を観てしまったのはちょっと残念だったかもしれません・・・。
2016年に3016年のお店を宇宙支店として作ってみた彼女
そんな彼女の展示が伊勢丹のTOKYO解放区で3016年の宇宙の伊勢丹支店をイメージした展示とその場に合った品々を販売をしています。
ここの面白いところは、まずVRで宇宙支店に運んでいってくれるという演出があることです。
ここがその場所。このOculusにもちゃんと装飾されているところがとても好きですね。ちゃんとこだわりと使い手が持った時に触れる部分でもあり大切なところだと思ってます。
このVR体験して、店内の商品を観ると、まさにいつもとは違った伊勢丹の解放区を感じられるのです。あと搭乗チケットをHISの代理店へもっていけるところも、体験の流れを一連として考えているとこがよいなと思いました。
この展示の詳細はこちらです。
西暦3016年、伊勢丹は宇宙に出店!? 中里周子プレゼンツ☆未来のショッピング体験
日常を切り離す入り口が好き
2つの展示に足を運び、「いいな〜!やられた・・・。」と思ったところは、その世界に触れる一番最初の出会いをとても大切にしているところです。
東雲TOLOTの展示では、狭い穴に入る入口。伊勢丹の解放区では、VRを使って宇宙支店へ連れて行ってくれます。
この導入がないとその先の世界や伝えたい事が半減してしまうでしょう。何となく建築のパタン・ランゲージの考え方に近く、受けての人間も世界が切り替わり、その先の世界に引き込まれやすいのかなと改めて感じました。
伝える側と受け手との最初の接点をどのように頑張って、伝える側の世界へ連れて行きやすくするか。もっとも気を使うところですが、そこを楽しめた2つの展示でした。
友達のお誘いで年末と年始に良い展示を体験できました。お誘いありがとうございました。
これからも陰ながら応援しておきます!
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