GWの最終日に情報デザインフォーラム第19回情報デザインフォーラムへ参加してきたので、そこで感じたことを記載しておきます。
テーマは参加型デザインと新しいデザイン教育
今回は専修大学の上平先生が北欧で学ばれてきた「参加型デザイン」とデザインフォーラムメンバーによる「新しい教育デザイン」についてのお話が主な内容でした。
第1部は上平先生による参加型デザインの話でしたが、その流れからデンマークで生活し、衝撃を受けたサービスの紹介がありました。
衝撃=リスクを許容する度合いの違い
上平先生のお話では、GOBOAT を使用して、人々が川でこのレンタルボートに乗りながら、アルコールを飲み、ボートを運転したり、dba というCtoCのブツブツ交換のサービスでは、電話番号や自宅の位置情報まで分かってしまったりと、日本では考えられないぐらい個人のリスクを許容するサービスが色々とあるそうです。
一方、日本では、オークションサービスでも、エスクローサービスなど、お互いの「プライバシー」を守るために、色々な仕組みがありますよね。なるべく、さらけ出さない方法のために、どういった手段を講じることができるか、といったことが重視されている気がします。
この違いは「リスクテイキング」として研究がされていて、日本人が他者に対して持つ信頼の水準は世界の中でも極めて低く、リスクを避ける傾向は世界最高らしいです。本はこの本がおすすめとのことです。(上平先生ありがとうございます!)
また、こちらのスライドにも同様の記載がありました。
リスクを負わないと切り開けない社会
第2部では、以下の3名によるパネル・ディスカッション形式で、日本での参加型デザインの在り方から0⇢1を切り開く意義など、とても興味深い話で盛り上がりました。
- 専修大学 上平先生
- 富士フィルム Open Innovation Hub の小島さん
- 株式会社Laere 大本さん
その中で、「均一的な日本人」と「個性を活かしたスウェーデン」の対比や環境が変わることを恐れ、リスクを冒せない日本人の話など、「ああ、よくある!」と頷いてしまう、とても身近な話題が多かったです。
また、小島さんが色々な組織を立ち上げ、運営されているお話は、立ち上げがとても孤独で寂しく、でもやり続けて広がっていく形であり、スタートアップの立ち上げに似ているなと思いました。リスクを負いながら進めていくのですが、企業内にいても、企業内起業家として推し進めているイメージでしょうか。素晴らしすぎます。
なぜ、リスクを負うのか?
ディスカッションの話題で、こんな話がありました。
毎日の通勤で違う道を歩くこともリスクテイキング
好奇心を持って学び続ける
これを聞いていて、激しく同意しました。
ここで書くのも恥ずかしいのですが、散歩が好きで写真を撮ったり、同じ道でも時間帯によって状況が違うわけで、景色や人の流れなど、その小さな変化に興味があったりと、好奇心だけで動いている気がします。
私が会社を辞めて、フリーランスになったときも、「会社の看板を外して、果たして自分は稼げるのだろうか?」といった好奇心を押さえられず、飛び込みました。結局、日本では特に困ることなく生きていけることが分かりました。
(この時に同時に進めていた音楽活動は挫折し、泣きましたが、この活動がきっかけで、いまでも素晴らしい人達と付き合ってるのはとても嬉しいことです!)
もちろん、会社を辞めるときは、周りの人からは「やめておけ!」、「社会はそんな甘くない!」といった声も色々とありました。でも、領域を変え、色々な人達と出会え、いまも続いているってことを、辞める時に予測できたのでしょうか?
もちろん、あの時、会社を辞めずに続けていたら、今の私の知らない世界へ広がっていたかもしれません。
ただ、ここに出てきた、「好奇心」を常に持ち続けると、毎日が楽しめるので、お勧めします。
おわりに
リスクテイキングが良い!的な流れになっていますが、ディスカッションでも、
逆に日本ではルールがあり、安心できる部分も多く、ユーザとしてはいいことも多い
といった話もありました。
なので、一方だけの視点が良いわけではなく、この両方を知るバランス感覚だと思っています。
懇親会の席でも、登壇者の方々と組織で切り開いていくお話ができ、私の感覚は間違ってなかったなと思える1日であり、安心できました。
でも、この安心に驕らず、常にぶっ壊していきたいと思います。
追記
リスクテイキングする=信頼するといった意味合いもあるのかなと思っていたら、まさにソウゾウの松本さんも似たようなことを言っていて、繋がっている気がしました。メルカリの性善説もリスクはない前提だなと感じました。
メルカリにあるカルチャーの根底には「性善説でいこう」があります。いったん、人を信じるんですよね。だから、まずは任せてくれる。
No Comments