深圳(深セン)ツアー2日目(JENESIS)

2016年9月25日

深圳での2日目。Seeed Studio社を後にし、JENESIS社へ向かいたいのですが、タクシーがまったく通りません。JENESIS社へ向かう様子から、工場を見学させてもらった内容について、感じたことを纏めておきます。


Seeed Studioから最寄り駅まで歩いてみる

Seeed Studioの訪問を終え、これまで通り、表通りでタクシーを拾おうと思い、待ち続けること15分・・・。

なぜか、自動車学校の教習車は物凄くゆっくりと通過するのですが、タクシーが1台も来ません。Uberも呼べないようで、最寄りの駅まで歩いて、駅から地下鉄で向かうことになりました。

その距離は約1 Km。朝から日差しもきつく、とても暑いのですが、先へ向かうためにもみんなで歩きました。

 

歩く・・・。

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この辺りも新しく大きな建物が多いのですが、

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ただ、歩くのです。

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途中に製材市場のような広さの場所があったりと、街中とは違った風景を楽しめました。

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汗だくで最寄り駅に到着

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深圳で初の地下鉄に乗ります。

せっかくなので、shaoさんに勧められるがまま、深圳通(shenzhengton)を購入しました。日本のPASMOのようなICカードです。

この深圳通は、お店やタクシーなどでも使えるのですが、Wikipediaでは、

将来は、駐車料金、水道電気ガスなど公共料金、家賃、公共施設使用料の支払いも可能になる。

と記載されています。日本よりも境目がなく進んでいきそうですね。

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システムは中国製なのかな?

 

時間調整のためKFCで一服

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写真はマクドナルドのチラシを配っていた人です。

訪問先の最寄り駅まで来て、少し時間があったので、KFCでお茶をして時間調整をすることになりました。

ここでももう慣れてきた微信支付でお支払い。

「百事」で「ペプシ・コーラ」と読みます。9.0人民元なので、Mサイズが135円ぐらいでした。

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アプリで支払うと、レジの端末に自分のアカウントが表示されるのが新鮮

暑さに疲れた体を冷房で癒やしつつ、ここからタクシーでJENESIS社へ向かいます。

 

JENESIS社を訪問

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JENESISは日本国内の企業向けに、教育教材ので使用するオリジナルタブレットや居酒屋の注文端末、タクシーのドライブレコーダなどの業務用IoT機器を1,000ロットぐらいから、発注元のクライアントの要件に合わせてハードウェアを製造している日本企業です。

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製造されたタブレットやICT機器がずらっと並べられていました。

JENESIS社の概要はこちらから。

今回は代表である藤岡さんに会社紹介と工場の案内ををしていただきました。(最後の懇親会まで本当にありがとうございます。)

藤岡さんがどのようにJENESIS社で、中国という現地で製造に携わっているかという点は、この本にびっしりと書かれていますので、読んでみてください。

 

工場の品質検査に力を注いでいる体制

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工場の案内で最初に驚いたのが、

「中国国内から仕入れたパーツ類は全品チェックしている。エラー率が高かったら、仕入れ元へ、お願いをする。品質はすぐに上がらないこともあるので、それを数回繰り返すこともある。」

といった、お話でした。

仕入れた材料の時点から、自社でコストを掛けてでも1つ1つのパーツに対して、受け入れできる基準を満たしているか確認していくという姿勢です。入り口でエラー原因の元をちゃんと断っていくことが、品質を最も高めることができる体制をつくれるといったこれまでのご経験なのでしょう。電子パーツもすべてやられているとのことなので、本当に骨が折れそうな行程です。

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完成した製品は、エージング室で一定温度で負荷を掛けた後に、全品の動作検査をしているそうです。数千ロットの受注に対しても、1台1台に時間を掛けて、全品の動作確認を中国でも必ずしているとのことです。(ハードウェアではなく、私が関わっている業界など、ITサービスのテストって改めてとても楽なんだなと。)

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老化房=Aging Room。こちらで製品に負荷を掛け

 

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Quality Assurance室で全品チェックを行う

 

性悪説での進め方とリスクヘッジについて

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工場を案内いただいた後にざっくばらんに質疑応答の時間となりました。

先の高須さんの本にも書かれていたのですが、その本の中に「性悪説」といったフレーズがあったので、その件について質問してみました。

藤岡さんは、中国本土で長い期間仕事をされていることもあり、中国特有の商習慣や文化についての苦労、そして、その中で仕事をやり続ける姿勢について、熱く語っていただきました。

内容はあまり書けないのですが、、、

例えば、中国現地の仕入先が突然蒸発してしまい、困ってしまうけど、それでもクライアントの依頼に応えるべく、這いつくばってでも、担当者を探し出し、なんとか繋ぐといった経験など、まさに書籍「HARD THINGS」のような逆境を沢山乗り越えている印象でした。

今回のツアーのメンバーは、起業家や経営経験者が多く、デバイスの製造に関する話から、このような会社の取り組みや課題に関する話になり、他のメンバーが「まさにHARD THINGS!!」と言って、深く共感していたところが、経営者の苦労の重みが国は違えど繋がったようで、とても印象的でした。

 

懇親会も盛り上がり2次会、そして・・・。

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夕食を囲み、藤岡さん(1番右)とドローンベンチャーの方々(右から2、3番目)

話も盛り上がり、夕方を過ぎたため、藤岡さんに案内していただき、夕食をご一緒しました。ここでも会社での話の続きや、中国と日本の考え方の違いや仕事の進め方など、深い話が多く、盛り上がりました。

私もとある開発現場で中国人エンジニア数十人と仕事していた時、膨大なコミュニケーションを取りつつ、お互いの考えや意見を聞きつつ、時間を掛けて信頼関係を築いたときがありました。そのお陰か、数年経った今でも、たまに連絡を取ることがあったりと、良い関係を築けています。

藤岡さんはこれまで中国で年月をかけて、現地の会社と信頼関係を作り、数多くの製品を製造し、最近ではスタートアップのハードウェア製造も多く支援されているとのことです。スタートアップの製品は小ロットであり、プロトタイプに近く、手間も掛かるのですが、「それはそれで色々と大変なんだけど、でも、手伝っている。」といった言葉には、ビジネスだけではなく、とても人情に近い人間の暖かい面が垣間見れ、だからこそクライアントは継続的に発注したくなるのだろうと思いました。

 

この日は、Xiaomi Store, oppo などの製品の見た目の品質の高さから、Seeed Studio社とJENESIS社といった分野が違うハードウェア製造会社を訪問でき、それぞれの規模や得意分野を1日で知れ、もっとも充実した1日でした。

 

さて、この後、みんなで次の場所へ、手配いただいた車とUberで次へ向かったのですが、Uberで事件が発生し・・・。
(私はUber側に乗っていないのでわかりませんが、ツアーはまだまだ続きます。)

 

翌日に、深圳の秋葉原と言われる華強北(ファーチャンペイ)へ行きましたが、こちらも想定外のスケールで・・・。(次回へ、箸休めにこのツアーで気になったシリーズです。)

http://entetsu.me/2016/09/shenzhen-05/

その他の記事はこちらから

 

深圳(深セン)ツアー2日目(Xiaomi Storeへ歩く〜ランチ〜Seeed Studio)

 

深圳(深セン)ツアー1日目(VRと夕食:缪氏川菜)

 

深圳(深セン)ツアー1日目(羽田〜香港〜深圳〜Makeblock)


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