日本のタクシーは一律料金からサービスに応じた料金へ変化していけるか

2016年11月21日

電車での移動の方が遠回りになる場合や急いでいるときに、タクシーに乗りますよね。

いきなり勝手に提案するのですが、タクシーは初乗りから距離に応じた料金課金に加え、提供されるサービスに応じて、料金を決めて欲しいなと思うのです。

理由は、タクシー運転手のスキルによって、お客さん側に「お願い」が回ってくることがあります。

結果、乗客にもタスクが与えられることがあったります。そんなお話です。


乗車後に目的地を伝えたあとの運転手からの一言

「タクシー運転手になったばかりで道がわからないので教えてください。」

タクシー運転手になったばかりのタクシーへ乗ってしまった場合、行き先を伝えたあとに、この発言があったりします。

以前、表参道から乗車し、六本木ヒルズへ行き先を伝えた時にも、この発言があり、少し困りました。まぁ、でもすぐ近いので問題はないかなと思っていました。

私は道を知っていたので、下記の通り伝え、道中の曲がり場所も丁寧に案内をしました。

「この道を真っすぐ行って、脇道を左に入って、青山一丁目から麻布十番へ抜ける道(環状三号線)があるので、そこを右折して、まっすぐ行くと六本木ヒルズです。」

無事に環状三号線まで行くことができ、この後は道路案内標識のとおりに進めば、目的地である六本木ヒルズに着きます。

(あとは大丈夫だろう・・。)

と、安心していたら、タクシーの運転手は、六本木トンネルの手前の脇道を左へ入ってしまいました。

私はすぐに、

「まっすぐ進むと六本木ヒルズなのに、なんでこっちへ入ったのですか?」

と、思わず聞いてしまいました。

だって、目的地は目の前だったのに・・・。

結局、脇道から、新国立美術館前→ミッドタウン→六本木交差点(ここ右折できない)と、遠回りのフルコンボを受けてしまった感じです。

「すいません・・・。」と、タクシーの運転手。

最終的には、六本木駅付近で降り、予定の映画に間に合わず、六本木ヒルズへ行くのを諦めました。

料金支払時に、「これって割引とかないのですか?」と聞いたところ、特にそういったのは無いですと言われ、降車後に、なんだか心の中がモヤモヤしたものが残りました。

 

タクシーに対して期待していた前提と実際のサービスに差異があった

この一連の乗車では、

「私が目的地を伝え、お金を支払う=タクシーが私を目的地へ連れてく」

といった、価値交換の前提で乗車していました。

これが満たされていれば、提供されるサービスに対する不満はなかったのだと思います。

しかし、この乗車では、ふりかえってみると、私のタスクが多かったなと感じました。

私が乗車後に一連のやったことを挙げてみると、

  • 私のタスク:
    • 目的地を伝えた。
    • 行き方を伝えた。
    • 曲がり角をその都度伝えた。
    • 運転手が間違えた道を修正すべく、案内をした。
    • 六本木交差点を右折できないことが分かり、解決策を考えた。
    • 降りる場所を指定した。
    • 質問した。
    • お金を支払った。

でした。

通常の乗車と比較すると、下記の点で、私が運転手のタスクを代行していました。(乗車中も忙しかった。)

  • 本来は運転手が行うタスクであったが、私が代行したタスク:
    • 曲がり角をその都度伝えた。
    • 六本木交差点を右折できないことが分かり、解決策を考えた。
    • 運転手が間違えた道を修正すべく、案内をした。

 

そして、目的であった、「目的地へ連れて行ってもらう」といった点も達成されていませんでした。

ということは、前提と比較すると、下記のようになり、目的が達成されていないのですが、対価を支払っていました。

「私が目的地を伝え、お金を支払う≠タクシーが私を目的地へ連れてく」

 

これをタクシー視点のタスクで書き換えると

  • タクシー運転手のタスク:
    • 乗客の目的地を確認する。
    • 目的地までの最適なルートを考える。
    • そのルートで運転する。
    • 降車位置を確認する。
    • タクシーを止める。
    • 料金を告げて、お金を受け取る。
    • ドアを開ける

となりますが、全体の目的である「乗客を目的地まで送り届ける」が、もっとも重要度が高いはずで、そのために、目的地を確認し、行き方を考え、向かいます。

この全体の目的に対して、タクシー運転手は「仕事」として、対価をもらっているので、ここを最低限満たして欲しいなと思ったのです。

ふりかえってみると、乗車中に道案内をして、遠回りをされて、目的地に着けなかったので、お金を支払うべきでは無かったのかなと思いつつ、最終的には状況を踏まえて、降車場所を変更し、「ここで降ります。」と伝えているのは私だったりします。

目的が達成されなかった点と私が代行したタスクの2点が、通常のサービスとの差異であり、その差異があったにも関わらず、通常と同じ金額を渡しは支払っていました。

 

では、どうだったら私は満足できたのか?

降車後のモヤモヤを無くすために、私がタクシー運転手だった場合、どのように振る舞えばよかったのか?を考えてみると、

  • 道を間違えた時点ですぐに戻ることが出来ないのであれば、メーターを止める。
  • 支払い金額を、道を間違えた時点までにする。
  • サービス券を渡す。(初乗り運賃無料、50%オフ、300円引きなど)

など、サービスに対して支払う金額を安くさせることで、サービスと対価を釣り合っているように感じさせているような気がします。

つまり、前提としてこれぐらいの金額を支払うと、このようなサービスがあると認識していたのですが、今回のサービスでは前提が満たされなかったのです。

そこに加えて、私がタスクを請負い、サービスを支援したといった認識があったため、対価となるお金を結果的に安くすませたかった=今回の乗車のサービスは他と比較しても低かった。と感じたのでしょう。

 

逆手に取った場合はどうか?

これを上手く使ってみるのはどうなのか考えてみました。

例えば、タクシーに「運転手は初心者のため、20%割引」と記載されていたら、安くても乗りたいって人が利用しやすいかもしれないし、タクシー内で仕事の電話など、やりたいことがある人は、こういった初心者タクシーを避けられるきっかけになるかもしれないなと、これを振り返って思いました。

最初から期待値を下げる代わりに、料金が安いなど、サービスと対価が釣り合っているように分かれば、今回のモヤモヤは発生しなかったと思います。

初心者ドライバーを否定しているつもりはないのですが、サービスと乗客が釣り合い、価値の交換が満足できるサービスが広まっていけば嬉しいですし、その中で初心者ドライバーも経験値を積んでいってもらいたいものです。

逆に、物凄く気持ちが良くなるサービスであったら、チップ的な支払も可能な仕組みもあったら面白いかもしれませんね。

 

おわりに

Uberでは利用者は、運転手やサービスに対して評価のフィードバックが出来ます。その1回の予約から乗車までの評価を伝えることができるのです。

今回の運転手は、ここに書いた私のモヤモヤは分からないと思いますが、乗客がサービスへフィードバックしやすい環境も早く整えて欲しいなと思います。

そうでもしていかないと、Uberのような新規サービスに追い抜かれてしまいますよ。

超簡単に、MESHでボタンを押すと記録できる仕組みをつくって、「今回の乗車に満足できなかった場合は、ここを押して下さい。」って用意するだけでもよいかもしれないですね。

 

これからもタクシーは乗りますので、陰ながらサービスの向上を見守っております!


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