京都でチーミングについて講義とワークショップを開催

2017年8月15日

4月に引き続き、7月に京都の株式会社おいかぜさん、株式会社翠灯舎さん、有限会社アーキテクトタイタンの3社にお誘いいただき、「チーミングの基礎」の勉強会として、講義とワークショップを開催してきました。

参加者の満足度はどうだったのかを踏まえて、チーミングについて、少し私の考えを纏めてみました。


勉強会の概要と参加者の満足度

テーマはチームについて

勉強会の内容は、「チーム」とはどのように作られていくものであるかを、組織の研究事例などを踏まえて話し、プロジェクトに合いやすいチームは、どのような要素があったのかという「成功しているチーミング」の紹介をしました。

また、具体的にチームを改善するきっかけ作りとして、ワークショップ形式の時間も設け、講義内容に繋がる形で、どのように現場でワークを取り入れ、実践しているかを具体的にやり方を伝えつつ、体感してもらい、少しでも現場に取り入れやすい流れを企画をしました。

狙いとしては、講義よりもワークで体感してもらい、この勉強会で学んだことを現場で少しでも実践してほしいという思いがありました。(ワークショップ温泉ではなく、取り入れることを主体に置いている)

講義とワークショップを合わせて、約4時間の長丁場となってしまい、長すぎて飽きてしまっているのでは?と心配していましたが、参加してくださった皆さんのアンケートの結果では、不満は少なく、満足が高い勉強会でホッとしました。(参加者36名95%の満足度!!)

ふりかえりとして、チーミングについて、さらっと最近感じていることを書いておきますね。

 

チーミングとは

まず、この会を開催するにあたり、企画会議では、下記のようなご意見をいただきました。

 

  • 「チーム」って何ですか?
  • 「チーミングって、チームマネージメントですよね?」
  • 「チームビルディングとは何が違うのですか?」

 

「たしかに・・・。似たような言葉が沢山ある。」と思ったので、まずはこの講義では下記の定義とし、この勉強会は「チーミング」について学ぶ会であることにしました。

 

資料から抜粋

 

なぜ、「チーミング」という言葉を選んだかというと、リーダや管理する側の人間だけが知るべきことではなく、チームへ参加するメンバー全員が知っておくことで、変化に強いチームとなる可能性が高いため、「マネージメント」のような、管理する側 / 管理される側をイメージする言葉を避けました。

 

なぜ、メンバー全員が知っておくと良いのでしょうか?

 

複雑な組み合わせが増えていくと、役割は状況毎に変化する

最近、IoTや人工知能などテクノロジーの進化が激しくなり、仕事でも、より多くの組み合わせや状況を判断して進めなければならい状態が増えてきたように思います。

2000年前後では、簡単なWebサイトが作れることで仕事を受けることができていましたが、現在では、例えば、「どのコンビニで何の商品を購入したから、この人はこんな商品も興味があるはずだから、この商品を提案してみよう」という、モノだけではなく、利用者の前後の文脈を踏まえて提供するサービスが増えてきています。

この流れには、その人の行動やデータの流れを汲み取り、その人と似たような属性の人達の購入データを紐づけたりと、様々な情報を繋げて、計算し、提案するという、高度で複雑な処理が行われています。

こうなってくると、データとデータが繋がれていく流れはより進んでいき、データを理解した上で、ユーザーにどのような体験をさせるか設計しつつ、データを取得できるのか?といった、データの利活用を見据えたサービス設計が重要になってきます。

 

ここに挙げた例はひとつの例ですが、人間の生活に関わる全ての部分を理解し、1人で設計しながら、繋げられる人はいるのでしょうか?

 


誰もがリーダシップをとる場面は増え、チームを意識することが多くなる

いくつかの領域がまたがると、1人ではなく、複数の専門家や様々な外部の人達ともコミュニケーションを取る必要があります。影響する範囲が広くなればなるほど、期待されることも増えますが、より外部のステークホルダーともコミュニケーションを取りながら、チームを進めていくこともあります。プロジェクトに関わる人が増えると、コミュニケーションパスが増え、コストが掛るのと同じです。

これをチームのあるリーダーがひとりで担うことは、専門の役割を深く理解した上で、何役もこなせる必要があり、そんな多様性があるフルスタックなスペシャルなリーダーは、人材市場的にもユニコーン(幻想)であるため、いくら探しても、待っていても、なかなか見つからないでしょう。(そういう人ほど独立している可能性が高いか、すでに自由と責任とお金を与えられて、仕事を全うしているのどちらかなのかもしれない。)

となると、チームのメンバーは自然と各々が専門領域をもち、互いの領域を尊重しながら、共働でチームを動かしていくことが良いのではと私は考えています。

あるメンバーの得意分野の領域であれば、リーダーから権限を移譲してもらい、チームを先導させ、奮起させる役割も増えてきています。それも自然に。

この「移譲」は、昔ながらの上下関係がある組織でありがちな、上の管理する役割の人が下のメンバーを管理する体系で運営している環境では難しく、相談や報告も含めたレポートラインが、上下関係であることが絶対であったり、リーダーが弱みをみせることが苦手である場合は、弱みや失敗をさらけ出せず、ほとんど移譲がされず、チームへ任せる体制が築けないことあります。

チャットツールなどを利用し、オープンに瞬時にコミュニケーションが取れる現代では、チーム内での情報共有コストがより少なくなっているため、上下という関係の「意識」は撤廃して、各々がチームメンバーでもあり、リーダーでもあり、フォロワーでもあることを意識すべきだと思っています。

誰もが状況に応じてチームを引っ張る人を変化させ、柔軟に対応していくことがチーム全体としての責務であり、この認識を持ててくると、「状況に対応できるリーダーシップ」と「変化に適応するフォロワーシップ」の切り替えを行っていくチームは作りやすくなるでしょう。

資料から抜粋

 

どのようにそういったチームを作っていくか・・・

このような場やチームをつくるために、どのように意識するかといった内容を講義で話してきたのですが、長くなってしまったので、説明をはまた今度にでも。

 

今回はこのような機会をいただき、ありがとうございました。

 

ワーク1つの「ふりかえり」の良かったことで挙がった1コマ。こういった気付きが挙がる会社は良い会社だと思っている

 

なお、チーミングについては、こちらの本がオススメです!


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