深圳の無人スーパー・無人コンビニの体験記(百鮮Go・WellGo)

2018年3月12日

2度目の深圳へいってきたので、前回との比較なども含めて思うことを書いてみる回です。


今年に入ってから、突然、メルカリさんから嬉しいお誘いがありました。

Mercari Tech Research」の深圳ツアーへのお誘いです。

仕事の合間で弾丸ツアーのような短期間でいってきたのですが、約1年半前に初めて深圳の都市を体験しにいき、感じたところと比較しながら書いていきます。

前回の流れはこちらにまとめています。

深圳(深セン)ツアー1日目(羽田〜香港〜深圳〜Makeblock)

なお、ツアー日程が中国の春節の真っ只中であったたため、お店が休みだったり、行きたかったところが行けなったりするところがいくつがありましたが、そういった部分を除いてお伝えします。

無人スーパー・コンビニを体験して感じたこと

今回のツアーで主に体験したかったところで、無人コンビニ・スーパーでの利用方法でした。

深圳では、2種類の無人コンビニである、百鮮Go とWellGOの2つ店舗で体験してたので、それについて書いておきます。

 

百鮮Go

華北強の大きな歩道に面した場所に、黄色い看板に「百鮮Go无人超市」と書かれた目立つ場所があります。

地図:http://f.amap.com/6ik6T_08B4jAY

店内に入ってみると、コンビニのドリンク置き場のような扉式の冷蔵庫がいくつか並んでいるだけのエリアになっています。

どの棚にも商品がきれいに陳列されていますね。

 

冷蔵庫の中にはRFIDタグ付きの商品が並べられています。棚の右側にある白い物体が、多分、RFIDを読み取るセンサーですかね。

多くの棚で、長期保存ができそうな商品が並んでいた印象です。

 

使い方

それぞれの扉の上部には扉毎に記載があり、扉に対するIDとそのIDに対応するQRコードが、Wechat、Alipay、百鮮Goのアプリごとに並んでいました。また、利用方法はその右側に書いてあります。

使い方のステップは簡単で、アプリを立ち上げ、QRコードをスキャンし、商品を取り、扉をしめると記載されています。

残念ながら私はアカウント登録ができなかったため、ガイドの人に利用をしてもらいましたが、スキャン、解錠、品物の取り出しまではスムーズに行えていました。

仕組みは、各商品にRFIDが取り付けられ、冷蔵庫内に取り付けられた、センサーから、取り出したRFIDが無くなったことをハンドリングして、決済しているようです。

気になったところ

  • たまに開かない。特に初回利用で扉が開かない人は、文句を言って、帰っていった。
  • 商品がない棚が多い。(春節だから?)
  • 商品を手に取ってみることができないので、商品の細かい確認はできない。
  • 何かの体験に似てるなと思ったら、田舎の農家の自動販売機が、パワーアップして、任意の商品をスマホ決済できる機械になった感じ
  • RFIDの単価と貼るコストはどのくらいになるのか?
  • 商品の補充はおくだけで良いのか?(新たなRFIDを追加されたと判断されるのか)

 

今回、2日目にも同じ店舗へ足を運んだのですが、ちょうど現地の警備の方が飲み物を買いに、QRコードをスキャンしていました。

が、全然、開かない・・・。

何度かQRコードをスキャンしていましたが、1つの扉が開かなかったためか、ぶつくさと文句を言いながらお店をでていきました。

ガイドさんと利用したときも、初回の利用ではある扉が開かずに、隣の扉を利用したりしたので、うまく解錠できない現象は頻度が高そうだなと感じました。

 

Well Go

昨年の8月にオープンした無人コンビのWell Go (より詳しい説明はこちらに記載されています) 。

上記の紹介の記事の通り、コンテナ型の無人店舗へ入店するときに、QRコードで認証し、店舗から退出する時に決済をするタイプです。

こちらも会員登録ができなかったため、ガイドさんの使い方を観察させてもらいました。

このコンテナ型の店舗は、施錠されているため、入店するために、最初からQRコードを読み取り、解錠します。

 

入店後は、商品を手に取りながら、購入する商品を決めます。こちらは百鮮Goとは違い、コンビニのように飲み物も含めて、品揃えが多かったです。

1つ1つの商品ごとにRFIDが付与されています。

 

商品が決まったら、決済エリアへ移動します。壁などのデザインがなぜ近未来感?なのが気になりました。

 

決済エリアは、エリア全体がリーダーになっており、そのエリアにある商品と数量を読み取り、モニターに表示してくれます。

イメージ的には、代官山蔦屋などに置いてある、無人レジで、リーダーの上に購入したい商品を重ねて置くと、自動的に商品を読み取って表示してくれるのと同じです。(GUの店舗での決済とも同じ)

凄いなと思ったのは、商品情報を読み取るとそのまま決済まで完了し、出口の鍵が解錠します。

 

 

なお、入口と出口は別々の導線でした。

 

分かりづらいのですが、決済エリアの頭上にRFIDのリーダーが設置されていました。

 

気になったところ

  • 1組しか入店できない?
  • QRコードを読み取る回数が2回ある
  • 決済エリアは順番待ちが起きそう(複数のお客さんが入れるのであれば)
  • 複数の商品を購入するのは便利そう(百鮮Goでは複数の商品を取り出そうとすると、同じ棚にない限り、複数回のQRコードを読み取り、扉の開閉が必要になる)

今回、最初に訪れた時には、店舗内で作業員が商品の補充をしていたためか、入口のQRコードを読み取っても、鍵が開かなかったので、複数のお客さんの場合、どのような動きになるか気になりました。

 

いづれもQRコード = Wechat or Alipay が必須

今回体験した2つの店舗は、ともに決済QRコードが利用でき、かつ会員登録がされていないと、利用すら出来ないという形式でした。

近くにこういった店舗があったら利用するなぁと、思いました。

QRコードを読み取り、認証や決済ができることは、スマートフォンだけあれば日常の生活が困らないぐらい便利であり、既に深圳の街全体で利用をできないところを見つけることが難しいぐらい浸透しています。

日本ではSuicaやPASMOなどの電子マネーでの決済が浸透していますが、店舗側の初期費用(リーダ設置など)や加盟店の手数料など、導入の敷居が高いとも言われています。

正直、決済の手間やスピードを軸に比較すると、Wechatでの決済より、Suicaでの決済の方が数倍早いし、正確なはずです。ただ、Suicaなどは単なるカードであり、手元で金額を調べたりする場合は、スマホなどで読み取ったり、マネーフォワードのようなアプリで状況を把握させておくことをしておかないと、カードの情報(残金、利用履歴など)を把握することがなかなか難しいですよね。

WechatなどのQRコード=スマホ決済といった流れになると、残金、利用履歴がスマホのアプリで常に把握できるところや、購入した店舗やサービスの情報やクーポンまで送られてくるところまで、つながっており、「購入体験からデジタルに取り込まれて、利用後も繋げてる」戦略な気もします。

日本でも過去にお財布ケータイとして流行っていたころもレジでの支払い手続きは便利であったので、支払い処理での体験だけでなく、利用の前後も含めてデジタルにどう取り込むかといったところを、行政主導の勢いぐらいで、進めてほしいなと思ってます。

このタイミングでQRコード決済のニュースがありましたが、QRコード+Suica+アプリなどシームレスに使えるように動いてほしいなと。何かが使えるというより、ストレス無く使えるレベルまで意識して動かしてほしいですね。

今の時期にとても手間が掛る、領収書の取りまとめなど、デジタルを利用した申告の簡略化も進めてほしいなと思いました。

 

デジタルはデジタルで困ることもあったので、それはまた次回に書いてみます。

 

おまけ

久しぶりの深圳だったため、この二冊の本を読み直したのですが、やっぱり面白かったです。深圳での流れを知りたい人は読んだほうが良いです。

 

 

今回のツアーのハッシュタグなどはこちら

 


You Might Also Like