2017年のふりかえりと2018年に向けて

2018年1月4日

もう2018年が始まり、高速道路の事故渋滞に数回捕まりながら、早く自動車の自動運転の未来にならないかなと激しく思った新年。

昨年は独立した気持ちで仮説検証をしてきたので、自分のためにふりかえりつつ、2018年について考えてみます。

2017年は1月末で前職を退職し、現在はOVERKASTにいます。

元々は会社を1から作って、挑戦しようと思ってましたが、同タイミングに大林から声を掛けてもらったので、OVERKASTに所属しています。みなさんからは、「転職したのですね?」と言われることがあるのですが、転職というより独立という立ち位置で動いています。

これらの経緯については、昨年の初めに書きました。

退職と「コミュニケーション」についての挑戦

コミュニケーションという抽象的な括りをボトムアップで実施する

前職を離れた理由は、先の記事に記載したとおり、以下をふつふつと感じていたためです。

これまでの社内へ対する働きで、周りから「とても助かる」と言われ続けてきたのですが、これを特定の1社に向けて価値を発揮するよりは、社外から色々な会社へ提供し、関わっていく企業やプロジェクトが良くなっていくかどうか?というのが、自分自身のいまできることの価値を検証することだと言える気がしました。

昨年は複数の会社に対して、外部の人として、チームの支援を行ってきました。

具体的には、

  • チームの立ち上げ支援(方向性決め、プロセスの決めと走り出し)
  • ふりかえりの支援
  • デザイン、エンジニア、セールスなど領域を横断しての翻訳
  • 経営陣とチームのギャップのすり合わせ
  • メンタリングなど

それぞれのクライアントの状況を汲み取りつつ、臨機応変にやり方を変化させながら、時には私自身の役割を変えながら進めてきました。

昨年の1年を通して感じたこととしては、多くのクライアント内のチームでは、ビジネスや環境の変化のスピードが早く、人材が不足している状況もあり、クライアント企業の経営陣やマネージャーの意図を汲み取りつつも、バンラス感覚を持ちながら、領域を幅広く、チームにグリップしながら、一緒に進めていく人材はかなり重宝されるということです。

また、言い換えると、深い専門領域に対しての人材は足りているが、その人と人と繋ぎ、領域を横断して物事を整理し、価値を判断していく人材が不足しているともいえます。

これは先に書いた内容にも、仕事を進めていく上では、多くの判断と決断があり、この繰り返しを大きな狂いなく判断することと、決めていくことという2つの視点が必要なのかなと思っています。

そして、この判断と決断の感度を上げていくためには、さまざまな領域のプロセスを知るために、自ら動き、キャッチアップし、自身の血となるように消化していくことが不可欠です。

または、可能な限り、プロセスを妄想し、分割し、試せることから試すことにより、その結果から学ぶべきことが多いと思います。

なので、判断や決断に迷うより、少しでも先へ進めようと意識しています。

これらをどうやってやっているのか?といった事を聞かれることもあるのですが、どこでも通用するフレームはなく、クライアントそれぞれの文化をくみ取りつつ、仕事を進めていくと、組織とメンバーと業務とプロダクトと経営陣などから「関係」が浮かび上がってきます。この関係と状況を判断軸に加え、文化を解釈し、進めたり、間違っていったりを繰り返すことで、養われていくことだと感じています。

当初に考えていた仮説検証としては間違っていなかった結果を得られたため、今年はこのあたりをもう少し掘り下げ、言語化など応用が効く展開を考えてみる予定です。そしてこういった行為を通して、組織を外部から支援し、クライアントを通じて社会を良くしていきたいです。(困っている会社があればご連絡ください!)

 

コミュニケーションの分解と発見

昨年は京都で2回もワークショップを含めた勉強会を実施する機会を得ることができ、日頃意識しているコミュニケーションについて、分解し、説明をしてきました。

なぜ私がコミュニケーションを意識しているかというと、様々な領域を横断する際に、ステークホルダーが増えれば増えるほど、コストが掛かり、難易度が高くなることが多く、領域を横断するコストも掛かり、コミュニケーションのコストと伝え手と受け手のギャップが大きくなる時があります。

これらはディレクションのブレイクダウンと同じで、ギャップを分割し、それぞれステップを作りながらすり合わせていくことができると、コミュニケーションやそこからは発生する認識の齟齬などは少なくなり、最初は時間が掛かりますが、良くなると思っています。

つまり、このギャップを意識することができるか、意識できたギャップをどのように少なくしていくか、といった2点に対してアプローチが出来る人は、コミュニケーションがスムーズな人が多いです。

また、コミュニケーションは、「関係」が「言葉」を作ると感じていて、言葉=内容も重要なのですが、そこから滲み出される部分やその人と周り、環境や私との関係を意識できるようになると、言葉がさらに走り出す時があります。

この部分をコンサルティングやコーチングやワークショップなどの短期的な対処では、「関係」まで深くくみ取ることができないことが多いと感じていて、引き続き、案件や課題に深く関わりながらより良い解決策を一緒に動きながら模索していけるように努めます。

 

コミュニケーションは「合わせる力」よりも「感じる力」が大切かもしれない

 

知識の拡張と新たな環境での学び方

2017年は独立もあり、必要とされる場であれば可能な限り協力するという方針で動いてきました。

これまでの領域は、Webエンジニア、ディレクター、デザインなどでしたが、昨年は支援先のクライアントを通して、人工知能についても理解をし、学んでいく必要がありました。

仕事の依頼があった時は、人工知能という領域は興味はありましたが、ほぼ未開拓の領域でした。

しかし、約1年間の支援を通して、知識の習得をする機会に恵まれ、その結果、先月に日本ディープラーニング協会の資格も取得ができ、ようやく知識的にもスタートラインに立てたと外部へ言える気がしました。(クライアントから継続的に仕事を依頼いただけたのも感謝しています。)

新たな知識を習得する場合に、その環境に身をおくことは最も大変で辛いことではあるのですが、その状況や環境に自分を変化させて適応することができる人は、知識を得る機会が多くあると思います。

また、状況や環境に自分を変化させ、過去の自分の成功体験を捨てて、初心から勉強するつもりで挑む心がないと新しい知識の習得が難しいと思っています。

昨年、現代アートのキュレータである、上妻世界さんと雑談していた時にも、多様性は他人の様々な価値を認めることよりも、自身の様々な領域の熟練度を知り、過去と新たな領域でのギャップを知った上で、その領域内でのコミュニケーションをとる必要があるような話をしていた気がします。

常に仕事の役割が変化するスタートアップやベンチャーなど、大企業の中堅や肩書にこだわりがある人が入社してきた時に、過去の経験から価値を正しく昇華し、知識へ変換をできていないと、新たな領域に移転することが難しく、過去の経験の状況を新たな領域に持ち込んでしまって苦しくなる場面も多いなと感じています。

こうなってしまう理由に「プライド」が本人を邪魔させている気がしているので、プライドも分解してみたいなと思ってます。

 

おわりに

雑多に書き表してみましたが、ふりかえりをしながら、年末年始に野中郁次郎氏のSECIモデル関連を再度読み直したりしています。

10年弱前にエンジニアとしてフリーランスになっていた時にも、「まさにこれだ!」って思って調べたりしていて、また戻ってくるのは面白いですね。

再びこのモデルに戻ってきて、本を読んでいたら、早速、好きなフレーズがあったので、今年はこれを意識しながら、ミドルアップダウンマネージメントのスペシャリストとして、選択と集中をテーマにしながら実践していこうと思います。

新たな知識はカオスから生まれてくるのである。
引用:知識創造企業

 

今年はいくつか新たな流れも作れそうな気がしているので、みなさま、本年もよろしくお願いいたします。


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